助成金申請の流れと注意点|受給できない事業主と不正受給

雇用関係の助成金は、雇用の安定や職場環境の改善などに取り組む事業主に支給されます。返済は不要ですが、要件と期限が細かく定められています。この記事では、申請の流れと注意点を解説します。

受給できる事業主

雇用関係助成金に共通する要件は、次の3つです。このほかに、助成金ごとの要件を満たす必要があります。

  • 雇用保険の適用事業所の事業主である(支給申請日と支給決定日の時点で、雇用保険の被保険者がいること)
  • 定められた期間内に申請する
  • 支給のための審査に協力する(書類の保管と提出、実地調査の受入れなど)

受給できない事業主

次のような場合は、受給できません。

  • 不正受給による不支給・取消しの決定を受けてから5年を経過していない
  • 前年度より前の労働保険料を納めていない
  • 申請日の前日から過去1年間に、労働関係の法令に違反した
  • 申請日または支給決定日の時点で倒産している
  • 申請書類に事実と異なる記載をした

申請の流れ

  1. 制度の選定会社の状況と取り組みたい内容から、使える助成金を確認します。
  2. 計画の作成・届出助成金によっては、取り組みを始める前に計画の届出が必要です。たとえばキャリアアップ助成金は、取り組みの実施日の前日までにキャリアアップ計画を提出します。人材開発支援助成金は、訓練開始日の6か月前から1か月前までに職業訓練実施計画届を提出します。計画の期間外に実施した取り組みは、対象になりません。
  3. 取り組みの実施計画に沿って、正社員への転換、休業の取得、賃金の引上げなどを実施します。出勤簿、賃金台帳、労働条件通知書などの書類を整えておきます。
  4. 支給申請原則として、助成金ごとに定められた日の翌日から2か月以内に申請します。期限を1日でも過ぎると、受け付けられません。
  5. 審査・支給決定労働局などの審査を経て、支給が決定します。申請書類は、支給決定日の翌日から5年間保存します。

不正受給となった場合

事実と異なる書類を作成するなどして助成金を受けること、受けようとすることは、不正受給にあたります。不正受給と判断されると、次の措置が取られます。

  • 受給した助成金の全額の返還
  • 延滞金と、不正受給額の2割に相当する額の納付
  • 不正受給の決定日から5年間、すべての雇用関係助成金が不支給
  • 事業主名と代表者名などの公表

申請を代行した社会保険労務士や代理人が不正に関与した場合は、事業主と連帯して返還の義務を負います。「必ず受給できる」「書類はこちらで整える」といった勧誘には、ご注意ください。

中小企業の範囲

助成額や助成率は、中小企業かどうかで変わることがあります。雇用関係助成金では、原則として、資本金または従業員数のどちらかが次の基準に当てはまれば中小企業です。

業種資本金・出資の額常時雇用する労働者の数
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

よくあるご質問

個人事業主でも受給できますか?

雇用保険の適用事業所であり、雇用保険に加入している従業員がいれば、個人事業主も対象になります。

申請の期限を過ぎてしまいました。

期間内に申請することが受給の要件のため、期限を過ぎた申請は受け付けられません。取り組みを始める時点で、申請の時期まで確認しておくことが大切です。

就業規則がありません。申請できますか?

助成金によっては、就業規則などに制度を定めていることが要件になります。たとえばキャリアアップ助成金の正社員化コースでは、転換の手続き、要件、時期を就業規則などに定め、その規定にもとづいて転換を実施する必要があります。

助成金の申請は弊所へ

叶社会保険労務士事務所では、要件の確認から計画の届出、支給申請まで代行します。着手金は不要で、助成金が入金された場合にのみ報酬をいただきます。助成金申請代行と料金のページもあわせてご覧ください。

出典

2026年10月時点の公的機関の情報をもとに作成しています。制度は改正されることがあります。

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